シリーズ『M&Aと弁護士の仕事』【その1】

シリーズ『M&Aと弁護士の仕事』【その1】

\    M&Aって何のこと? /
\  担当弁護士は何をするの? /

巷では「M&A弁護士」なんてカッコ良さそうな肩書きを耳にすることがありますね。
このクールに響く肩書きですが、実際に彼らは何をしているのでしょうか?

今回は、「そもそもM&Aって何?」
「M&A弁護士って何をするの?」
という素朴な疑問を解決してみたいと思います。

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M&Aとは、「Merger & Acquisition」 (英語の直訳で「合併と獲得」)の略称で、大まかにいうと、企業が、他の会社の株式を買ってその会社の支配権を手に入れたり、他の会社と合併等をしたりすることをいいます。

M&Aは、ビジネス規模を拡大したり、新規ビジネスを開始したり、自社の弱みを補強したりして、協業による相乗効果を追求するためなどに行われます。

このように、一見するとM&Aは、あくまで経営者の戦略実現のひとつであって、法律や弁護士は関係しないのではないかとも思えるかもしれません。

しかし、意外にも実際のM&Aにおいて、法律や弁護士は重要な役割を果たしています。

そもそも、M&Aをする際には、皆さんが少し大きな買い物をするときに考慮するのと同様に、①「どのような会社」を、②「いくら」で、③「どのような条件」で購入するかという点が重要になってきます。

この中で、①どのような会社なのか、②いくらで買うべきなのかという点については、会計士や税理士やビジネスコンサルタント等が、会計・税務・ビジネスの側面から評価することが大切になってきますが、これらの要素それぞれに弁護士も重要な役割を果たしています。

まず、①「どのような会社なのか」という点については、弁護士は、会社を法律の側面からチェックし、どのような会社なのか判断します。
ドラマや小説で、結婚する際に、相手に多額の借金や犯罪歴がないか等の身元調査をする場面を見ることがあります。
これと同様に、M&Aの際にも弁護士は、法的観点から対象となる会社に問題点がないかということを確認するのです。

次に、②「いくらで買うか」という点については、前述したとおり基本的には株価の算定は弁護士以外の専門家が大きく関与します。
しかし、例えば、弁護士の法的観点からの調査の結果、未払賃金が多く残されているような場合には、売買価額から未払い賃金分の金額を減額する必要がありますので、そのような形で売買価額にも関与することになります。

最後に、③「どのような条件で買うか」という点について、弁護士は、その条件について契約書に事細かに記載します。
あとで契約内容に争いが生じ無いよう、かなり細かく、かつ、明確に記載するため、契約書の長さは数十ページにも及ぶことも珍しくありません。

弁護士は、相手方と契約書のやりとりをして、その条件についての交渉をすることになります。

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さあ、簡単にM&Aでの弁護士の関わり方を説明しましたが、いかがでしたか?
六法ちゃんの感想としては、「ぽぉ〜、いろいろ細くて大変そう!」っという感じです。

シリーズ『M&Aと弁護士の仕事』次回をお楽しみに!

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