外国の緊急事態宣言では、日本とは違った制限を与えることになるよ。

例えばアメリカでもし緊急事態宣言が出された場合、一部の州では不要不急の外出・集会を原則禁止されるんだ。

フランスでは、生活必需品の買い物や通院を除き、移動が禁止される。

スペインでは、一部地域で食料品を取扱う店舗など以外は営業禁止になる。

日本の緊急事態宣言においては、医療施設の確保や緊急物資の輸送、医薬品や食料品の管理には実効性があると言えるよね。

ただ、個人の外出やサービス提供者に対する営業停止に関しては、あくまで自粛に止まるから、その点では、実効性は低いと考えられるよね。

多くのひとは、緊急事態なのだから政府に強い権限を与えて、そのリーダーシップのもとに状況に立ち向かうことができるようになる、といった勇ましいイメージをもっているかも知れないね。

でも、内閣（行政）は基本的に法律の根拠なく国民の権利を制限し、国民に義務を課すことはできないんだ。

そう。

緊急事態だからといって、この原理原則を放棄してしまうことは民主主義そのものを放棄するに等しいことだからね。

そうかも知れないね。

六法ちゃんのように国民の多くが緊急事態宣言に何か過剰な期待を寄せている中で、緊急事態宣言を発令して、もし今より効果的な手段は特にとれなかったということになれば、期待を裏切られたと感じた国民は、今より不満や不安を募らせることになってしまうだろうからね。

本来は、国会による事前・事後の承認を条件として政府により強い（ただし範囲が明確な）権限を与える法律を早々に作るべきだと思うよ。

その通り。

そうだね。

そこは違うよ。

法律を成立させること自体は、六法ちゃんが思っているよりもはるかにスピーディなんだ。

例えば、東日本大震災の際の選挙に関する特例法は震災から1週間後の3月18日には成立したんだよ。