六法ちゃん
第2回で話題になった通り、緊急事態宣言は、出されたとしても、実際はほとんど今と変わらないことしかできないか、今する必要のないことができるようになるだけのものかも知れないことがわかったところだけど・・・。
六法ちゃん
では、外国ではどうなっているのかな?
六法ちゃん
外国で緊急事態宣言が出された場合、各国ではどうなるんだろう。
六法ちゃん
ひまわり先生、外国の情報を教えて!
外国の緊急事態宣言では、日本とは違った制限を与えることになるよ。
ひまわり先生
例えばアメリカでもし緊急事態宣言が出された場合、一部の州では不要不急の外出・集会を原則禁止されるんだ。
ひまわり先生
六法ちゃん
アメリカでは州毎にルールが変わるから、州によってはすごく厳しかったり、厳しくなかったりするんだよね。
六法ちゃん
不要不急の外出を禁止するだけで、ウィルス感染拡大を大きく防げるっていう話は聞いたことがあるから、実効性が高そうだね。
六法ちゃん
「禁止」は日本の「要請」より強い制限だし!
フランスでは、生活必需品の買い物や通院を除き、移動が禁止される。
ひまわり先生
六法ちゃん
フランスでは「不要不急」の外出を禁止するんじゃなくて、外出できる場合の理由を具体的に制限しているんだね。
六法ちゃん
フランスの方がアメリカよりも更に厳しそうだね。
スペインでは、一部地域で食料品を取扱う店舗など以外は営業禁止になる。
ひまわり先生
六法ちゃん
ヘェー
六法ちゃん
営業の停止は、かなり大きな制限だよね!
六法ちゃん
日本だと不要不急の外出に「仕事」が含まれていないから、営業停止を行えば、個人の外出もかなり減少させられそうだよね。
日本の緊急事態宣言においては、医療施設の確保や緊急物資の輸送、医薬品や食料品の管理には実効性があると言えるよね。
ひまわり先生
ただ、個人の外出やサービス提供者に対する営業停止に関しては、あくまで自粛に止まるから、その点では、実効性は低いと考えられるよね。
ひまわり先生
六法ちゃん
ちょっと、緊急事態宣言に期待を寄せすぎていた。
多くのひとは、緊急事態なのだから政府に強い権限を与えて、そのリーダーシップのもとに状況に立ち向かうことができるようになる、といった勇ましいイメージをもっているかも知れないね。
ひまわり先生
でも、内閣(行政)は基本的に法律の根拠なく国民の権利を制限し、国民に義務を課すことはできないんだ。
ひまわり先生
六法ちゃん
「法律による行政」の話だよね。
六法ちゃん
すごく大事な基本的ルールだよね。
そう。
ひまわり先生
緊急事態だからといって、この原理原則を放棄してしまうことは民主主義そのものを放棄するに等しいことだからね。
ひまわり先生
六法ちゃん
なるほど、じゃあ、今のままとりあえず政府が緊急事態宣言を出しても、意味がないということかな。
六法ちゃん
世の中が緊急事態宣言を求めているにもかかわらず、政府が出さないのは、これが理由なのかもね!
そうかも知れないね。
ひまわり先生
六法ちゃんのように国民の多くが緊急事態宣言に何か過剰な期待を寄せている中で、緊急事態宣言を発令して、もし今より効果的な手段は特にとれなかったということになれば、期待を裏切られたと感じた国民は、今より不満や不安を募らせることになってしまうだろうからね。
ひまわり先生
六法ちゃん
でも新型コロナウィルスが広がっていくのをただ待っているだけというのはあまりに不安だよね・・・どうしたらよいのだろう?
本来は、国会による事前・事後の承認を条件として政府により強い(ただし範囲が明確な)権限を与える法律を早々に作るべきだと思うよ。
ひまわり先生
六法ちゃん
緊急事態宣言よりも、民主的コントロールが及ぶような手続きを定めたうえでより効果的なことができる法律を作るのが先ってことだよね?
その通り。
ひまわり先生
六法ちゃん
そうか。
六法ちゃん
それなら、ぜひ今からでも国会で、営業補償・所得補償とセットとなった行動制限、医療体制の充実を図るための物資・人材の集中を可能とするような法律を速やかに作るべきだよね。
六法ちゃん
そうして緊急事態宣言を出したら、意味のある感染拡大防止策を施すことができる。
そうだね。
ひまわり先生
六法ちゃん
ただ・・・
六法ちゃん
新しい法律を制定させるって、ものすごく時間がかかりそう・・・
六法ちゃん
手遅れなのでは?
そこは違うよ。
ひまわり先生
法律を成立させること自体は、六法ちゃんが思っているよりもはるかにスピーディなんだ。
ひまわり先生
例えば、東日本大震災の際の選挙に関する特例法は震災から1週間後の3月18日には成立したんだよ。
ひまわり先生
六法ちゃん
え!
六法ちゃん
1週間で?
六法ちゃん
じゃあ、まずは国民の代表である国会議員の皆さんに、期待だね!