車を運転中、外国人旅行者と接触してしまったら?
\ 外国人旅行者との交通事故(その2) /
前回(3/16投稿)に続き、日本国内で運転中、外国人旅行者と接触してしまった例に沿って、外国人とのトラブルについて考えてみたいと思います。
前回は(1)「どこの国で裁判が行われるのか」という内容でしたが、今回は次のステップである、
(2)準拠法の問題:どこの国の法が適用されるか?
について考えたいと思います。
「どこの法律が適用されるか」は、国によって交通事故の考え方が違うことなどは頻繁に見られることで、とても重要なポイントになります。
前回のステップ(1)で、日本の裁判所に管轄が認められ日本の裁判所で審理が行われることになった場合、日本では「法の適用に関する通則法」(「通則法」といいます。)の規定にしたがって準拠法(=どこの国の法を適用するか)が決定されます。
法の適用に関する通則法
(http://elaws.e-gov.go.jp/…/ela…/elaws_search/lsg0500/detail…)
この法律で、どの国の法律を使って問題解決をするのかが決定します。
日本法を適用する場合もあれば、日本法でなく外国の法を適用するということもあり、日本の裁判所で行われる裁判であっても、適用される準拠法は事案によって異なるのです。
基本的には8条によって、基本的な準拠法が決定されますが、例えば交通事故の場合、交通事故は民法上の「不法行為」に該当することから、この法の適用に関する通則法22条によっても準拠法の決定方法が定められています。
いっぽうで、外国人旅行者の国籍地など、外国の裁判所に管轄が認められ当該外国の裁判所で審理が行われる場合には、当該外国の国内法(日本における通則法のような規定)により準拠法が決まることとなりますが、この場合も、適用される準拠法は事案によって異なります。
外国で裁判が行われることになっても、もちろん日本の法律が適用されることもあるということですね。
以上、裁判管轄と適用される法について概要を説明しました。
今回触れた問題についての法律学の分野を「国際私法」といいます。
国際化が進む中、今後益々必要となる分野ですね。
六法ちゃんは、トラブルの相手が外国の人だった場合、問題になるのはとにかく語学力だけだと思っていたけど、利用する裁判所や法律も問題になるなんて、いろいろと複雑だと思ったぽ〜〜!
次回は、適用される法について、もう少し具体的に学んでみましょう。