\ 選挙権の価値とは? /

選挙が近づいてくるとSNSなどに上げられる、「投票に行こう!」という感じ の内容の投稿をみて、「梅雨で天気も悪そうだし別に行かなくてもいいかな」「めんどくさいな」と思う人も多いと思いかもしれません。
その気持ちもわからなくもないですが、でも投票するってほんとうに大事なことなんです。
でも、投票することって、どうして大事なのでしょうか。
投票することが少しめんどくさいと思っているあなた!
きょうは、ちょっと六法ちゃんの話を聞いてください!

せっかくなので、投票の権利が記されている憲法を通して、なぜ投票が大事なのかを考えていきたいと思います。

日本国憲法第15条3項には、「公務員の選挙については、成年者による普通選挙を保障する」と書かれています。
これは、成年になれば「普通選挙」、 要するに性別、収入の多少、宗教や人種などのあらゆる個人の違いに関わらず投票をすることができること、を保障するという意味です。

今の日本では、性別のせいで投票ができなかったり、収入が少ないから投票ができなかったり、宗教のせいで投票が禁止されたり、ということはありませんよね?
今は18歳になれば当たり前に投票ができる、というイメージです。

なのに、なんでこんな「普通選挙」という当たり前のことがわざわざ憲法に書いてあるのでしょうか?

実は、この選挙権が当たり前になるまでには、すこし長い歴史があったんです。

日本で普通選挙が法律で認められたのは1925年です。
その後、実際に 最初の普通選挙が実施されたのは1928年の第16回衆議院議員総選挙 のときです。
1928年というと遠い昔の話のように思えるかもしれませんが、和暦だと昭和3年のこと。
昭和の出来事なのです。

しかし、 残念ながらこのときの普通選挙では成年男子のみに選挙権が認められ、成年女子には認められていませんでした。
女子が選挙権を得るのは第二次大戦後です。

先に選挙権を獲得した成年男子ですが、成年男子が当たり前に投票できる選挙権を得るまでにも、なんと30年以上 の期間がかかったんです。
その間、社会運動が起こり、デモをしたり議会に 請願書を提出したりと、国民は努力を続けました。

当時の議論の争点は、 特に財産の面の要件である納税要件の廃止でした。
それまで、投票するためにはたくさん納税していないといけなかったんですね。

地主のように多額の納税ができる者を想定した納税要件が設けられていたので、結局一部の富裕層によって政治が動かされていたといえます。
そして、生活が安定しない者に は安定した政治をするための判断を任せられないなどの理由で、納税がで きない者、すなわち収入が不十分である者には選挙権が与えられませんで した。
お金持ちしか投票が許されていない時代があったなんてびっくりです。

この納税要件は、何度も廃止案が議会に提出され、その度に否決されていました。
結局、最終的に可決されたのは1925年3月のことでした。
それが憲法に明記されたのは戦後、日本国憲法が制定されたときです。

今では当然に国民が有する選挙権ですが、女子に限らず多くの男子にとっ ても、長い戦いを経てやっと勝ち取ったものです。
一部のお金持ちや男性 だけに政治を決められるということは今ではあり得ません。

ただ、注意が必要です。
今の日本では選挙権は18歳以上のみんなに認められているのに、投票をしない人があまりに多いので、結局投票に行った一部の国民が政治を決めているような状態になっているんです。

こんなに長い年月をかけてせっかく勝ち取った選挙権がもったいないような気がしますよね。
みなさん、国の主権者として堂々と投票に行きましょう!

自分の国の未来は自分たちで決めましょう!

参考サイト:http://www.furuyatetuo.com/bunken/b/28_gikai/55_syugiin/01.html

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