「#検察庁法改正に抗議します」の指摘する本当の問題点とは【前編】

六法ちゃん
六法ちゃん
Twitterで「#検察庁法改正に抗議します」というハッシュタグを使って、検察庁法の改正に反対している人がすごく多いね。
六法ちゃん
六法ちゃん
なんでみんな抗議しているの?
検察という組織について、内閣の支配力が強まる可能性がある、ということで抗議しているんだよ。
ひまわり先生
ひまわり先生
六法ちゃん
六法ちゃん
でも、検察って行政の一部だよね?
六法ちゃん
六法ちゃん
それを内閣がコントロールするのはいけないの?
たしかに検察は行政の一部だ。
ひまわり先生
ひまわり先生
だけれども、検察が持っている強大な権限を考えると、過度に内閣が影響力を行使することの是非は慎重に考えないといけない。
ひまわり先生
ひまわり先生
そのあたりのことは後で説明するとして、まずは、今回どのように検察庁法が変わるのかということを見てみよう。
ひまわり先生
ひまわり先生
今回変更される重要な規定は、検察官幹部の定年に関するものだから、その点に絞って確認しよう。
ひまわり先生
ひまわり先生
まず、現行の検察庁法は、
ひまわり先生
ひまわり先生

「検事総長は、年齢が65年に達した時に退官、その他の検察官は年齢が63年に達した時に退官する。」

という極めてシンプルな条文になっている。
ひまわり先生
ひまわり先生
六法ちゃん
六法ちゃん
うん、わかりやすい。
次に、改正案では、退官年齢が延長され、また、役職の定年に関する規定が設けられた。
ひまわり先生
ひまわり先生
具体的には、検察官の退官年齢は原則65歳に変更され、一定の役職にある検察官の役職定年は原則63歳に据え置かれている。
ひまわり先生
ひまわり先生

六法ちゃん
六法ちゃん
これだけだと検察官の定年が延長されるだけで、大きな問題はないように思えるんだけど。
六法ちゃん
六法ちゃん
そんなに、抗議するほどのことじゃないのでは・・・
まあ、ちょっと結論を急ぐのは待って。
ひまわり先生
ひまわり先生
さっき「原則」と言ったとおり、退官年齢と役職定年については「例外」があるんだ。
ひまわり先生
ひまわり先生
六法ちゃん
六法ちゃん
例外って?
まず役職定年について、内閣は、内閣が定める事由があることを認める場合には、幹部職員の役職を1年延長することができることになる。
ひまわり先生
ひまわり先生
また、退官年齢についても、いままで検察官には適用されないと解されていた国家公務員法の規程が検察官にも適用され、最長68歳まで退官年齢を延長することが可能になる。
ひまわり先生
ひまわり先生

(なお、検察庁法の改正に関する条文の新旧対照表は、以下のリンク先にあります。https://www.cas.go.jp/jp/houan/200313/siryou4.pdf)

六法ちゃん
六法ちゃん
なるほど、偉い検察官の役職定年や退官年齢の延長が、「内閣によって」認められてしまうんだね。
六法ちゃん
六法ちゃん
けど、それのどこが問題なの??
延長を判断する主体と延長をする基準、すなわち、役職延長の判断基準を「内閣が」定めることができて、また、その判断を「内閣の広い裁量で」できてしまうということが問題なんだ。
ひまわり先生
ひまわり先生
六法ちゃん
六法ちゃん
・・・ん?
つまり、検察官部の人事に大して、内閣が与える影響が大きくなってしまう、っていうことが問題なんだ。
ひまわり先生
ひまわり先生
六法ちゃん
六法ちゃん
なるほど、人事権を握られてしまうのだね!
六法ちゃん
六法ちゃん
そうか・・・
六法ちゃん
六法ちゃん
でも、普通の国家公務員の定年延長も行政が判断するんだよね?
六法ちゃん
六法ちゃん
それなら、検察官も国家公務員なんだから同じじゃないの?
じゃあ、なぜ内閣に人事権を握られたら問題なのかを、後編で考えよう。
ひまわり先生
ひまわり先生

 

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